次の問いに答えよ。
(1) 関数 f(x)=(3−x)ex について,関数の増減,極値,グラフの凹凸を調べ,y=f(x) のグラフの概形をかけ。ただし,x→∞limexx=0 は証明なしで用いてよい。
(2) 定積分
∫02π3sin x+4cos xdx
を求めよ。
第二次導関数を求める
(1)から始めます。
問題文のような聞かれ方をしたときには,第二次導関数を求めます。
積の微分の公式を用いて
f′(x)=(3−x)’ex+(3−x)(ex)’
=−ex+(3−x)ex
=ex(−1+3−x)
=ex(2−x)
極値を求めておきます。
ex(2−x)=0 として
ex=0 だから
2−x=0
x=2
次に第二次導関数を求めます。
f”(x)=(ex)′(2−x)+ex(2−x)’
=ex(2−x)−ex
=ex(2−x−1)
=ex(1−x)
ex(1−x)=0 として
ex=0 だから
x=1
x | (−∞) | ⋯ | 1 | ⋯ | 2 | ⋯ | (∞) |
f′(x) | | + | + | + | 0 | − | |
f”(x) | | + | 0 | − | − | − | |
f(x) | 0 |  | 2e |  | e2 |  | (−∞) |
f(1)=2e
f(2)=e2
また
f(−x)=(3+x)e−x
=3e−x+xe−x
=ex3+etx
となるので
x→−∞limf(−x)
=0+0=0
また
x→∞limf(x)
=x→∞lim(3−x)ex
=−∞
1/sin x の積分
(2)に進みます。
∫02π3sin x+4cos xdx
まずは分母を三角関数の合成でまとめましょう。
3sin x+4cos x=5sin(x+α)
ただし sinα=54,cosα=53
α の大きさが具体的に分からないときは,こういうカンジで
sin,
cos の値を示しておくのだった。あとで役に立つ。
よって
=51∫02πsin(x+α)dx
ここから,置換積分をしておきます。
x+α=t とすると
dx=dt
x t0→2πα→2π+α
よって
=51∫α2π+αsin tdt
解けそうで解けない特殊な類だろうね。これは解き方覚える以外になくて,なおかつ手順が結構大変だから,がんばって暗記して。
sin x1 を変形すると
=sin2xsin x
=1−cos2xsin x
=(1+cos x)(1−cos x)sin x
これを部分分数分解します。
1+cos x1+1−cos x1
=(1+cos x)(1−cos x)1−cos x+1+cos x
=(1+cos x)(1−cos x)2
となることを利用する。
要するに,分子の
cos を消去したいの。引き算からいくと 1 が消えて
cos x が残るから,逆に足し算すればよくね?っていう発想。
(1+cos x)(1−cos x)sin x
=21(1+cos xsin x+1−cos xsin x)
これを用いて
51∫α2π+αsin tdt
101∫α2π+α(1+cos tsin t+1−cos tsin t) dt
=101[−log(1+cos t)+log(1−cos t)]α2π+α
=101[log1+cos t1−cos t]α2π+α
ここで,cos(2π+α)=−sinα=−54
公式として暗記しても良いのですが,単位円を書いて解決する方が現実的でしょう。
このように単位円を書いてみると,第2象限の cos(2π+α) は第1象限の sinα と同じ大きさです。ただし,第2象限の cos は負の値なので,cos(2π+α)=−sinα とします。
=101⎝⎛log1−541+54−log1+531−53⎠⎞
=101(log19−log82)
=101(log9−log41)
=101(log9−log1+log4)
=101log36
=101log62
=51log6 (答え)
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