積分最初大丈夫だったんだけと
f(t) が出てくるところでいきなり分からなくなった。
そこ、積分文字と定数の違いが整理できてないと意味が分からなくなるところだね。問題解きながら整理しようか。
関数は変化する文字と変化しない文字を区別するのが大事
次の等式を満たす関数
f(x) を求めよ。
f(x)=x2−∫01f(t)dt
∫01f(t)dt=a とおく
計算しやすくするために、まずは
∫01f(t)dt=aとするよ。
ところでなんだけどなんで
a に置きかえてもいいと思う?
まず、そこから頭整理してね。
a ってのは定数って意味だから、
a の中身は何でもいいワケじゃないの。
ダメなパターンは、
a の中に
xが含まれる場合。例えば
a=3x+1 みたいな式があったとするじゃない?このとき、
a の値って
x の値によって変化するでしょ?
こうやって
x の値によって変化してしまう文字は定数とは言わない。
つまり、定数ってのは x の値に関係なく一定なヤツじゃないとダメっていうこと。
今回、
∫01f(t)dt=a ってしたけど、これは積分の式を計算した結果が定数であるっていう前提の上に
a に置きかえているの。
そこも頭整理してね。今回の関数は
f(x) であって、
x の関数なの。定義として理解してほしいんだけど、
f(x) の式において
変化する文字は x だけであって、それ以外の文字は定数として扱う。だから
t にも色んな値が入るかもしれないけど、いったんそこは考えないである決まった数が入るものとして考えるのよ。
高校数学の範囲では関数ってのは変化する値は1つだけっていう決まりはずっと一貫したものだから、常にそのことを頭に入れておくと式の計算に見通しが経つようになるよ。結構大事な考え。
∫01f(t)dt の中には x が含まれていないから、x の値が何だろうが、積分の結果は変わらない。つまり定数と考えてよいってこと。
[te]で、話を戻すよ。
∫01f(t)dt=a …① として与式に代入すると
f(x)=x2−a
f(t)=t2−a
∫01t2−adt=a[3t3−at]01=a31−a=a2a=31a=61
この辺は、いっぺん作った式の中でどこか代入できそうなヤツがないか探すのが大事。
a=∫01f(t)dt=61 を与式に代入すると
f(x)=x2−61 (答え)
f(t) の定積分:応用その1
次の等式について、以下の問いに答えよ。(成城大)
∫0xf(t)dt+∫01(x+t)f(t)dt=x2+a
(1) この等式を満たす関数
f(x) について
∫01tf(t)dt=a
となることを示せ。
(2) この等式を満たす関数
f(x) および、定数
a を求めよ。
いったん、
x=0 を代入して式が簡単にならないか考えてみる。
これも一つの方針なんだけど、この手の問題が出てきたときに
x=0 を代入すると式が整理できることがあるから試してみてね。今回はそれでうまくいくヤツ。
第1項目みたいに積分区間が 0 から
x みたいになってるときだね。
x に 0 を代入すると、積分の範囲が 0 から 0 になって、つまり積分範囲が消える。
(1) x=0 とすると
∫01(0+t)f(t)dt=0+a
∫01tf(t)dt=a (答え)
∫01tf(t)dt=a であることに注意して、与式は
∫0xf(t)dt+∫01xf(x)dt+∫01tf(t)dt=x2+a
∫0xf(t)dt+x∫01f(t)dt+a=x2+a
2番目の項で
x を積分の式の外に出すのはオッケーなの?
積分に
dt って書いてあるでしょ? つまりこれは式を
t の関数として考えろってことだから、
x は定数になるの。
関数においては変化する文字以外は定数だったよね?
そういうこと。
f(t) がらみの問題では変化する文字と定数がしょっちゅう入れ替わるから、常にどっちなのかを確認しながら計算を進めてね。
式を x で微分すると
f(x)+∫01f(t)dt=2x
ここで、b=∫01f(t)dt …① とすると
f(x)+b=2xf(x)=2x−b …②
x を t におきかえると
f(t)=2t−b
①に代入して
b=∫012t−bdtb=[t2−bt]01b=1−b2b=1b=21
②に代入して
f(x)=2x−21(答え)
a を求める
a=∫01tf(t)dt より
=∫01t(2t−21)dt=∫012t2−21tdt=[32t3−41t2]01
=125 (答え)
この辺も話繰り返しだけど、今までに作った式の中で代入できるヤツがないが探すようにするとうまくいくからね。
f(t) の定積分:応用その2
関数
f(x) が等式
f(x)=x2+∫12(3x−t)f′(t)dt を満たすとき、
f(x) を求めよ。(近畿大)
式に
f’ とか出てきてホント泣きそうです!
落ち着いて。今までやってきたことを使ってちゃんと解けるから。
まず、
(3x−t) の部分を展開するよ。
f(x)=x2+∫123xf(t)dt−∫12tf′(t)dt
f(x)=x2+3x∫12f′(t)dt−∫12tf′(t)dt …①
ここもだけど、2項目は積分の式は
dt って書いてあるから
t の関数と見なして、
x は定数扱いにするからね。第3項でも
t の関数だから、今度は
t は積分の式の外側には出さないようにしてね。
ここで ∫12f′(t)dt=a とすると、与式は
f(x)=x2+3ax−∫12tf′(t)dt
ここで今回は
f′(x) が出てきてるから、いったん
f′(x) がどういう式になるかを考えてみるよ。
両辺を x で微分すると
f′(x)=2x+3a …②
∫12tf′(t)dt の部分って消えるの?
消えるよ。
x で微分するんだから
∫12tf′(t)dt の式の中に
x は含まれていないでしょ? つまりこれは定数である、って考えるの。
x を t におきかえると
f′(t)=2t+3a
①に代入して
f(x)=x2+3x∫122t+3adt−∫12t(2t+3a)dtf(x)=x2+3x[t2+3at]12−[32t3+23t2]12f(x)=x2+3x{(4+6a)−(1+3a)}−{(316+6x)−(32+23a)}
=x2+3x(3a+3)−(29a+314)
=x2+9ax+9x−29a−314…③
③を x で微分すると
f′(x)=2x+9a+9
これを②と比較して
2x+3a=2x+9a+9−6a=9a=−23
これを③に代入して
f(x)=x2+(−23)⋅9x+9x−29⋅(−23)−314
=x2−29x+1225 (答え)
とにかく今回大事なポイントは、計算をしているときにそれが何についての関数でどれが定数扱いなのかを見極めることだね。それがうまくいけば解けるようになると思うよ。
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