x4+6x3+29x2−28x+35=0
の解の一つが 21+3i のとき,残りの解をすべて求めよ。
確かにその方法あるけど,今回は
x に 1 とか -1 とか代入しても左辺が 0 にならない。ようするに,そのときの 1 とか -1 とかって解の一つってことだよね。でも今回は解の一つとして
21+3i が与えられている。だから,それを使ってみる。
複素数の解の性質
一般にある高次方程式の解の一つが複素数であるとき,その共役な複素数も解である。
ということは
21−3i も解であるといえる。4次方程式は解が4つできるはずだから,あと二つを求めればよい。
共役な複素数を因数定理に当てはめる
f(x)=(x−21+3i)(x−21−3i)Q(x)=0
ここで
Q(x) は割り算したときの商を表すヤツ。
x に
21+3i を代入すると最初のカッコが
(21+3i−21+3i) ってなって 0 になる。0 のかけ算だから式全体が 0 になる。
21−3i のときも同様で
x にこれを代入すると,今度は真ん中のカッコが 0 になるよね。
で,これは
もとの式を (x−21+3i)(x−21−3i)×(式) の形に因数分解できるって意味なの。これが因数定理。
因数定理の仕組み
例えば
x2−3x+2=0 という方程式があったとする。これは
(x−1)(x−2)=0 と因数分解して
x=1,2 が解になる。言い換えると,式に
x=1 を代入すると
(1−1)(1−2)=0 ってなって恒等式が成り立つ。だから,
x=1 は解であるっていう解釈だった。
これは逆に言うと,
方程式は(x-解)で割り切れるってことでもあるよね。これも例えばだけど,式を解じゃない数,
(x−3) で割ってみる。実際ひっ算でやってみると,商が
x で余り 2 になる。つまり
x2−3x+2=(x−3)x+2=0となるよね。
ここから分かるのは,解じゃない数を使って割っても余りがでる,つまり割り切れないってこと。
解である 1 や 2 を代入しても
(x−3)x は
(1−3)×1 とか
(2−3)×2 になるから 0 にならないでしょ? だから余りの項があって,それを足すか引くかしないと式全体で 0 にはならない。
でも,式を
(x−1) で割れば
(x−1)Q(x) ってなって,
Q(x) がどんな式だろうと
x=1 を代入すれば式は 0 になる。つまり,余りの項がいらない。「
余りがない=割り切れる」っていう理屈。
そうそう。因数定理って三次方程式解くときよく使うけど,理屈自体は直感的に分かりにくいよね。
だからとりあえず,
方程式は解が分かってると (x-解)の積に直せるってのだけ覚えて,そういうものだと納得するもの。細かいことは気にしない。
ひっ算で割ってみる
f(x)=(x−21+3i)(x−21−3i)Q(x)=0
展開して
{x2−(21+3i+21−3i)x+21+3i⋅21−3i}Q(x)=0
{x2−21+3i+1−3ix+4(1+3i)(1−3i)}Q(x)=0
{x2−22x+41−(3)2(−1)}Q(x)=0
(x2−x+1)Q(x)=0
再びさっきの式に戻るけど,実際にひっ算使って割っていく。理屈からすれば割り切れるはず。
よって
f(x)=(x2−x+1)(x2+7x+35)=0
これがイコール 0 になる場合だから,
x2−x+1=0 または
x2+7x+35=0 ということになる。あとは普通に二次方程式を公式放り込んで解けばよい。
x=21±3i,
2−7±91i
因数定理の式作るところまでいったらあとは大したことないかも。
そうそう,解が二つ分かったとき (
x-解)(
x-解)×
Q(x) の形がひらめくかどうかの問題。経験値ためてレベルアップしてね。
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