過酸化水素
H2O2 は組合せによって酸化剤としても還元剤としてもはたらく。
確かに。ただここも係数合わせの部分に注意して理解していけば何とか突破できる。
過酸化水素は酸化剤・還元剤になる
・過酸化水素 H2O2 とヨウ化カリウム KI
H2O2+2H++H2O2+2H++22e−2I−I−→→→2H2OI2+2e−2H2O+I2
過酸化水素って特殊ケースで酸化数が
+2H2−2O2 ってなる。
O の酸化数は -2 じゃなくて -1 になる点に注意。
だから
H2O2 自体の酸化数はあくまで 0 になる。そこに
2H+ を加えるとき,さらに電子を 2 個追加して左辺全体を酸化数 0 にする。
このとき
H2O2 は電子を受け取る方だから自身は還元されて相手を酸化する。つまり酸化剤としてはたらく。
そう。電子はマイナスだから電子を受け取ると酸化数が減る。酸化数が減ったら還元された。逆に酸化数が増えたら酸化された,だった。
過酸化水素と過マンガン酸カリウム
2MnO4−+16H++10e−5H2O25H2O2+2MnO4−+6H+→2Mn2++8H2O→10H++5O2+10e−→5O2+2Mn2++8H2O
過マンガン酸カリウムって強い酸化剤だから,
H2O2 は今度は還元剤としてはたらく。さっきと反応後の生成物が異なることに注意。
[酸化剤]
MnO4−+8H++5e−→Mn2++4H2O
[還元剤] H2O2→O2+2H++2e−
酸化剤の方は生成物が
Mn2+ と
H2O になる。左辺に
O が 4 個あるから右辺の
H2O も 4個。すると
H が 8 個あるワケだから左辺の
H+ も 8 個。
Mn の酸化数は +7 だから,右辺で +2 にするために電子を 5 個加える。
還元剤の方は左辺に
H が 2 個あるから右辺の
H+ も 2 個必要なのは分かると思う。あと,左辺の
H2O2 の酸化数は 0 だから右辺も全体として 0 になる。
O2 の酸化数は 0 だから,
2H+ を打ち消すために電子を 2 個加える。
あとは連立方程式で
e− の係数を合わせる。5 と 2 だから係数は 10 にするとよい。
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