情報技術の歴史における4つのターニングポイント

歴史学者のロバート・ダーントンは著書の中で人類の情報技術の歴史には4つの大きな変化があったと述べています。

“印刷の技術は400年近く変化しなかったが、識字能力や教育、印刷文字の入手しやすさが改善したおかげで、一般人の読者はますます増えた。蒸気機関で動くプレス機によって紙の上に印刷された小冊子や新聞が民主主義のプロセスを推し進め、その結果 19 世紀後半の間に一般大衆が出現した。”

情報技術の4つの変化

ロバート・ダートンが述べる情報技術の4つの変化について紹介しましょう。

上部な金属製の活字は大量の印刷を安定して行うことを可能にした。

1つ目の変化:文字の発明。人類はおよそ紀元前 4000 年ごろに文字を発明しました。文字は過去の情報を未来に伝えることを可能にし、本というものが出現する道を切り開きました。

2つ目の変化:聖書の登場。聖書の写本はキリスト教の普及にとって重要であっただけでなく、単語同士をスペースで区切る表現方法や、段落や章、目次など、読者が情報を得る上で手助けとなる新しい技術を生み出しました。

3つ目の変化:持ち運び可能な印刷物の発明。グーテンベルクによる活版印刷は本を持ち運び可能なものにしました。印刷された聖書はまたたく間にヨーロッパ中に広がり、本を人々の手の届くものにしました。

4つ目の変化:インターネットによる電子コミュケーションの発明。インターネットという言葉が初めて登場したのは 1974 年のこと。その後 1990 年代半ばごろからホームページやサーチエンジンといったサービスが急速に普及するようになりました。

こうして4つの変化を振り返ってみると、変化の間隔が徐々に狭くなっていることに気づきます。また、インターネットの情報はそれ以前の時代のあらゆる情報と質の点で異なっています。これまで書籍などの印刷物の情報は「書かれたテキスト」として存在してきたのに対し、ネットの情報はまるで口承による意思伝達のように書かれ、広がっています。私たちは現代と過去の情報技術の違いを学びながら、これからの情報のあり方を探っていくことが大切です。