【数Ⅱ】高次方程式と虚数解 因数分解を利用して解く方法
を実数の定数とする。3次方程式 が を解に持つとき、定数 の値を求めよ。また、他の解を求めよ。
この問題を解くときには、高次方程式の性質を利用すると便利です。
方程式の解の1つが虚数なら、それと共役な複素数も解である。

そんな法則ありましたっけ?

教科ではサラっと触れているくらいだね。でも結構大事。
ここでは、 を解に持つということは、 も解であるということです。
式を因数に分解する
ここから、式を因数に分解していきます。

そうそう、因数ってイマイチ意味が分からない。

難しい話じゃないよ。例えば12っていう数は、3×4と表せるし、もっと言うと3×2×2ってできるよね?このとき3と4とか2が因数。こうやってある数をかけ算で表したときのそれぞれの数のことを因数って言うのよ。そして、ある式をかけ算の式に直すことを因数分解という。

これどういうこと?

ここで分からなくなったら、いったん教科書で因数定理に戻ったほうがいいね。この式って、 がどういう値であろうが、 に を代入すると左辺が になるから、左右が恒等式として成立しているってのを確認して。同様に を代入したときも恒等式が成り立つよね。

代入したら左右どっちも になりますね。

こんな感じで、方程式の解が分かっているときには、方程式を
解
っていう形に書きかえることができるの。今回は解が2つ分かってるから
解解
となる。
解
っていう形に書きかえることができるの。今回は解が2つ分かってるから
解解
となる。
ここで
よって
は
と表せる。

ここから を求めるには割り算すればいいよね。
余り
よって、与式は
と表せる

この計算はひっ算でやるよ。計算ミスしやすいから気を付けてね。

3回やり直してやっと答え出た…

最初は誰でもそんなものだから気にしない。ここは練習あるのみよ。
最後は余り0を利用する

ところで、割り算したら余りが出たけど、本来(x-解)で割り算したら余りが出ないはずなの。

そうなの?

だって、P(x)=(x-解)Q(x)+余り って式の x に解を代入しても、余りの部分があるから0にならないでしょ?

ああ、なるほど。

つまり、逆に言えば余りの部分は0ってすればよい。
このとき
として、恒等式の性質より
よって
(答え)
また、
はとなる(つまり余りは0である)ので
となり、もう1つの解は1である。(答え)

最後のところは、 で とすると式が になるから、 を因数として持つってこと。あと、もともと と が解になるのが分かってたから、 にできる。
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