【数III数列の極限】漸化式が分数なら 逆数をとって一般項を求める

[問題] $a_1=2$,$a_{n+1}=\cfrac{2a_n}{a_n+4}$ のとき $\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}a_n$ を求めよ。

極限求める前に一般項が必要。
約分もできないし,漸化式どうするの?
漸化式が分数のときは逆数でいけないかやってみて。

漸化式の逆数をとる

式の逆数をとると
$\cfrac{1}{a_{n+1}}=\cfrac{a_n+4}{2a_n}=\cfrac{a_n}{2a_n}+\cfrac{4}{2a_n}$
$\cfrac{1}{a_{n+1}}=\cfrac{1}{2}+\cfrac{2}{a_n}$

ここで逆数をいったん $b_n=\cfrac{1}{a_n}$ としておくのがポイント。こうすると $b_{n+1}=\cfrac{1}{a_{n+1}}$ と表すことができる。

$b_{n+1}=\cfrac{1}{2}+2b_n$

ここ,数IIBで特性方程式ってやったの覚えてる?
あー,結構ご無沙汰です・・・

$\alpha=2\alpha+\cfrac{1}{2}$ とおくと $\alpha=-\cfrac{1}{2}$
これを用いて
$\begin{aligned}&b_{n+1}&=&2b_n+\cfrac{1}{2}\\-)\space&\alpha&=&2\alpha+\cfrac{1}{2}\\\hline &b_{n+1}-\alpha&=&2(b_n-\alpha)\\&b_{n+1}+\cfrac{1}{2}&=&2\Big(b_n+\cfrac{1}{2}\Big)\end{aligned}$
$c_n=b_n+\cfrac{1}{2}$ とおくと
$c_{n+1}=2c_n$
これによって,$c_n$ は公比 $2$ の等比数列であることが分かります。
また,初項を求めると
$c_1=b_1+\cfrac{1}{2}=\cfrac{1}{a_1}+\cfrac{1}{2}$
$=\cfrac{1}{2}+\cfrac{1}{2}=1$
よって,$c_n$ の一般項は
$c_n=1\cdot2^{n-1}=2^{n-1}$
一般項できたら,あとは $a_n$ に戻していく。
$b_n+\cfrac{1}{2}=2^{n-1}$
$\cfrac{1}{a_n}+\cfrac{1}{2}=2^{n-1}$
$\cfrac{1}{a_n}=2^{n-1}-\cfrac{1}{2}$
$=\cfrac{2\cdot2^{n-1}-1}{2}$
$=\cfrac{2^n-1}{2}$
逆数をとると
$a_n=\cfrac{2}{2^n-1}$
よって
$\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}\cfrac{2}{2^n-1}=\cfrac{2}{\infty}=0$ (答え)

極限のところは結構あっさり。
今回はどちらかというと漸化式がメインの問題だよね。