ランドセルが重すぎる問題 インドでは重量規制も

日本ではゆとり教育の廃止に伴い教科書のページ数が増え、子供が毎日通学に使うランドセルが重くなっていることを問題視する人々もいます。

こうした悩みは日本だけではないようで、インドではついに行政が動いてランドセルの重量に規制をかける事態に発展しています。

”小学1年生と2年生の生徒は、最大で約3ポンド(約1.3キログラム)の重さのかばんを持ち運ぶことができる。3年生と4年生で勉強する児童では、重量制限は6.6ポンド(約3キログラム)であった。制限は10年生(日本では高校1年生)まで設定されており、その上限は11ポンド(約5キログラム)である。”

裁判所の通達により規制が行われることに

具体的に規制を指示したのは、インドの都市チェンナイの高等裁判所です。あまりに重すぎるランドセルの問題を解決するために保護者が訴えを起こしました。また、インドでは小学校1、2年生に対して宿題を出すことは禁じられているにもかかわらず、実際には宿題が出されていることも問題として取り上げられました。

アメリカでの調査によると、子供の体重の10パーセントを超える荷物を背負わせることには問題があり、前かがみの姿勢は骨の変形を引き起こすことが明らかにされています。裁判所は、ランドセルが子供の体重の10%を超えないことを保証するよう州政府に指示することを要請し、裁判官は州政府がランドセルについての指針を策定すべきであると述べました。また、裁判官は宿題は年長の子供にしか効果がないと述べています。

裁判官は子供のランドセルの問題をこう例えました。「子供は重量挙げの選手ではない。

インドの小学生のランドセルはかなり重い

記事の中では、子供のランドセルがどのくらい重いのかという事例が紹介されています。体重が31キログラムの、ある小学2年生の女の子のランドセルの重さは6キログラムでした。また、ある小学5年生の男の子のランドセルの重さは何と10キログラムでした。子供たちは重いランドセルを背負い、通学だけでへとへとになっているのです。

経済発展著しいインドだが、国内の教育レベルの改善とともにランドセルも重たくなっている。

子供のランドセルが重くなっている原因は多岐にわたる教科書だけでなく、教材メーカーが出版する副教材にもあるようです。ある意味では、子供たちは教材メーカーの利益の犠牲者として毎日重たい荷物を背負わさせているとも言えるのです。

こうした問題に対する解決策は、やはりデジタル教科書であると考えられています。デジタル教科書はインフラの面で課題を抱えるものの、今後は避けて通れない道になるでしょう。日本の教科書会社も諸悪の根源扱いされる前にデジタルの普及に尽力した方が健全に生き残る道なのかもしれません。