ここでは酸化還元反応における酸化数の変化,そして酸化還元反応とそれ以外を区別する話をする。
酸化数の変化
2+2C−2O+0O2→2+4C−4O2
C の酸化数を比べると左辺は +2 で,右辺は +4 になっている。酸化数が増えているから
C は酸化されたということ。
そう。酸化数が増えるってのは相手に電子与えることだから酸化される。
反対に
O2 の側で考えると酸化数が 0 から -4 に変化しているから還元されている。
で,こんなふうに左辺と右辺で酸化数が変化するものを酸化還元反応と呼んでいる。でも,どんな化学反応でも酸化数が変化するワケじゃない。
酸化数が変化しない反応
−1CH3COO+1Na++1H−1Cl→−1CH3COO+1H++1Na−1Cl
酢酸ナトリウムと塩化水素を反応させて酢酸と塩化ナトリウムができる反応。こうやって見ると
CH3COO の酸化数は変化していない。
そういうこと。ちなみにこれは中和反応で塩ができるヤツだよね。
ここから化学反応式が酸化還元反応かそうじゃないかの判別を練習してみようか。
酸化還元反応の識別
Mg+2H2O→Mg(OH)2+H2
んー。左辺の
Mg は酸化数 0 だけど,右辺の
Mg も酸化数 0 ってことはないですよね。
OH とくっついてるから。
それでオッケー。酸化数が変化しているからこれは酸化還元反応。右辺は
+2Mg(−1OH)2 となって
Mg の酸化数が 0 から +2 に変化している。
Cu(OH)2+H2SO4→CuSO4+2H2O
左辺の
Cu は酸化数 +2 ですよね。あと右辺の
SO4 ってイオンになったら
SO42− でしたっけ?
じゃあ,右辺の
Cu も酸化数 +2 になって,酸化数変化しないから酸化還元反応ではない。
NH3+HNO3→NH4NO3
右辺の物質って硝酸アンモニウムっていうんだけど,アンモニウムイオン
NH4+ ってのがあったでしょ?つまり
NH4 で酸化数 +1 って数えるの。
−3N+3H3++1H+5N−6O3→+1NH4+5N−6O3
これも中和反応の仲間に入る。右辺の
NH4 の部分を分解すると
−3N+4H4 ということであって,
N の酸化数は変化していない。だから酸化還元反応ではない。
酸化還元反応とそれ以外を判別する問題は大事なヤツだからできるようになるまで練習してね。
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