n を自然数とするとき,以下の問いに答えなさい。(東京都立大2019)
(1) f(x)=(x2+1)n1 の導関数を求めなさい。
(2) In=∫01(x2+1)n1 dx とおく。(x2+1)n1=(x)’×(x2+1)n1 であることを利用して,等式
In+1=2n1{(2n−1)In+2n1}
が成り立つことを示しなさい。
(3) 定積分 ∫01(x2+1)31 dx の値を求めなさい。
商の導関数
(1)から始めます。
分数式の微分は公式がありました。
これを使っていきましょう。
f(x)=(x2+1)n1
f′(x)=−{(x2+1)n}2{(x2+1)n}’
=−(x2+1)2nn(x2+1)n−1⋅2x
(x2+1)n は合成関数だから,中ビブンした
2x をかけるのを忘れずに。
=−(x2+1)2n2nx(x2+1)n−1
(x2+1) の部分を整理します。n−1−2n=−n−1=−(n+1) だから
=−(x2+1)n+12nx (答え)
漸化式を作る
(2)に進みます。
(x2+1)n1=(x)’×(x2+1)n1 という式は,要するに部分積分をしなさいということです。
In=∫01(x)’×(x2+1)n1 dx
(1)より
=[x×(x2+1)n1]01+∫01x×(x2+1)n+12nx dx
=2n1+2n∫01(x2+1)n+1x2 dx
最初の形に持ち込みたいの。
∫01(x2+1)n1 dx が作れたら
In に変換できる。
=2n1+2n∫01(x2+1)n+1x2+1−1 dx
x2 に
+1 を付けたあとに
−1 を付ければ前の式と同じになる。ようは分子の
x2 を消すためのつじつま合わせ。
=2n1+2n∫01{(x2+1)n+1x2+1−(x2+1)n+11} dx
=2n1+2n∫01{(x2+1)n1−(x2+1)n+11} dx
よって
In=2n1+2n(In−In+1)
In=2n1+2nIn−2nIn+1
2nIn+1=(2n−1)In+2n1
In+1=2n1{(2n−1)In+2n1}
(証明終わり)
漸化式に代入する
(3)に進みます。
∫01(x2+1)31 dx は,n=3 のときであり,つまりI3 のことです。
(2) で漸化式を作ったので,I1 が求められれば I2 が分かり,I2 が求められれば I3 が分かります。順番に処理していきましょう。
I1=∫01x2+11 dx
分母に 1+x2 の形が来たときには tan で置換積分しましょう。
1+tan2θ=cos2θ1 の公式を使いたいから,
tan で置換。
x=tanθ として
dx=cos2θ1 dθ
x θ00→→14π
I1=∫04π1+tan2θ1⋅cos2θ1 dθ
=∫04πcos2θ11⋅cos2θ1 dθ
=∫04π dθ
=[θ]04π=4π
これを(2)の漸化式に代入します。
I2=2⋅11{(2⋅1−1)⋅4π+211}
=8π+41
I3=2⋅21{(2⋅2−1)(8π+41)+221}
=41{83π+43+41}
=323π+41 (答え)
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