各項が実数である無限数列 {an},{bn} に対し,関数
fn(x)=(2n+1−2)x−(2n+1−1)anx−bn (n=1,2,3,⋯)
を考える。ただし,a1=0,b1=1 とする。n=1,2,3,⋯ に対し,
fn+1(x)=fn(f1(x)) (x=23, x=2n+2−22n+2−1)
が成り立つとき,以下の問いに答えなさい。
(1) f2(x) と a2,b2 を求めなさい。
(2) t=f1(t)=f2(t)=f3(t)=⋯ をみたす実数 t をすべて求めなさい。
(3) 数列 {an},{bn} の一般項をそれぞれ求めなさい。
合成関数に代入する
(1)から始めます。
f2(x)=f1(f1(x)) ・・・①
また
f1(x)=(22−2)x−(22−1)a1x−b1
=2x−3−1=3−2x1
①に代入して
f2=f1(3−2x1)
=3−2(3−2x1)1
ここは,f1(x)=3−2x1 だから,f1(f1(x)) は f1(x) の x の部分をさらに f1(x) に置きかえるということです。つまり
f1(x)=3−2x1 より
f1(f1(x))=3−2f1(x)1
=3−2(3−2x1)1
となります。
=3−2x9−6x−21
=7−6x3−2x
=6x−72x−3 ・・・②
また
f2(x)=(23−2)x−(23−1)a2x−b2
=6x−7a2x−b2 ・・・③
②と③を比べると
a2=2,b2=3 (答え)
数学的帰納法で考える
(2)に進みます。
t=f1(t) の関係から t の値を考えてみましょう。
f1(t)=t とすると
(1)より
f1(t)=3−2t1=t
t(3−2t)=1
−2t2+3t−1=0
2t2−3t+1=0
(2t−1)(t−1)=0
t=21, 1
また
f1(t)=t のとき
問題文より fn+1(x)=fn(f1(x)) だから
fn+1(t)=fn(f1(t))=fn(t)
となります。つまり,f2(t)=f1(t),f3(t)=f2(t),・・・が成り立つので,数学的帰納法の考え方からすべての自然数 n について fn(t)=t が成り立つと言えます。
t=f1(t)=f2(t)=f3(t)=⋯
が成り立つ。
したがって
t=21, 1 (答え)
式を連立する
(3)に進みます。
t=21, 1 のとき,fn(t)=t が成り立つことを利用します。
fn(21)=21 より
fn(21)=21(2n+1−2)−2n+1+121an−bn
=2n+1−2−2⋅2n+1+2an−2bn
=−2n+1an−2bn=21
2bn−an=2n ・・・①
また
fn(1)=1 より
fn(1)=2n+1−2−2n+1+1an−bn
=−1an−bn=1
bn−an=1 ・・・②
①-②
bn=2n−1
②に代入して
2n−1−an=1
an=2n−2
したがって
an=2n−2,bn=2n−1 (答え)
関連