【数Ⅲ積分】対数log を積分する(3) 原始関数の推定

最後は原始関数の推定を用いる問題にチャンレジします。

原始関数の推定を用いる問題

$\displaystyle\int \sin (\log x)\enspace dx$

置換積分とかやっても全然ダメです。
そうね。どうにもなんないから、微分したら $\sin (\log x)$ になる関数を推定していく方法で解いていくよ。
どういうこと?

微分すると $\sin (\log x)$ になる関数があったとすれば、それが積分の答えってこと。あとは、パターンだからやり方習得してね。

式をとりあえず微分します。

$\displaystyle\{\sin(\log x)\}’=\cos(\log x)\cdot\frac{1}{x}$…①

次に、上の式の$\cos$ バージョンを用意します。

$\displaystyle\{\cos(\log x)\}’=-\sin(\log x)\cdot\frac{1}{x}$…②

こうすると②の式は微分して $\displaystyle -\sin(\log x)\cdot\frac{1}{x}$ になっていて、今回求めようとしている、微分して $\sin (\log x)$ になる関数にかなり近い形です。しかし $\displaystyle\frac{1}{x}$ の部分がジャマですよね。

そこで元の式に $x$ かけたら、消えるかも。

式を作り直してみましょう。

$\displaystyle\{x\sin(\log x)\}’=\sin(\log x)+x\cos(\log x)\cdot\frac{1}{x}\\=\sin(\log x)+\cos(\log x)\\\displaystyle\{x\cos(\log x)\}’=\cos(\log x)-x\sin(\log x)\cdot\frac{1}{x}\\=\cos(\log x)-\sin(\log x)$

かけ算の式 $f(x)g(x)$ を微分したら、$f'(x)g(x)+f(x)g'(x)$ になる公式を思い出してね。
こんなの、ひらめかないです。

そうね、経験がものを言う世界だから経験値積むしかないかも。あとは考えてもしょうがないから、いっぺん式立ててみて、出口を模索していくのよ。

ここで、微分して $\sin(\log x)$ の形が出てきたのはいいのですが、今度は $\cos$ が邪魔です。そこで上と下の式で引き算をして $\cos$ を消去しましょう。

$\{x\sin(\log x)-x\cos(\log x)\}’=2\sin(\log x)\\\displaystyle\frac{1}{2}\{x\sin(\log x)-x\cos(\log x)\}’=\sin(\log x)$

よって

$\displaystyle\int\sin(\log x)dx=\frac{1}{2}x\{\sin(\log x)-\cos(\log x)\}+C$

(答え)

原始関数の推定は、とりあえず式を微分 → セットで $\cos$ の式を用意 → 式を足し算か引き算していらない部分を消去、という手順で進めます。今回はすこしヒネリが入りましたが、いらない部分をどうやって消すか?を考えながら作戦を立てていきましょう。