【軌跡と領域】2 点からの距離の比が等しい点の軌跡-求め方をおさらい

2 点からの距離の比が決まってる軌跡を 2 通りやるよ。

軌跡が直線になるパターン

[問題1] 2 点 A$(-3,2)$,B$(3,-1)$ に対して,AP:BP=1:1 を満たす点 P の軌跡を求めよ。

AP:BP=1:1 より
AP=BP
が成り立ちます。両辺を 2 乗しておきましょう。

何で 2 乗するの?
あとで説明する。

$\text{AP}^2=\text{BP}^2$
点 P の座標を $(x,y)$ とすると,三平方の定理より
$\text{AP}^2=(x+3)^2+(y-2)^2$
$\text{BP}^2=(x-3)^2+(y+1)^2$
よって
$(x+3)^2+(y-2)^2=(x-3)^2+(y+1)^2$

上で 2 乗したのは,三平方の定理使うときにルート書くのがめんどいから。2 乗しないと上の式は
$\sqrt{(x+3)^2+(y-2)^2}=\sqrt{(x-3)^2+(y+1)^2}$
ってなる。
定規出すのメンドイです。

$x^2+6x+9+y^2-4y+4=x^2-6x+9+y^2+2y+1$
$12x-6y+3=0$
$4x-2y+1=0$ (答え)

辺の比が 1:1 のときは,このように垂直二等分線ができます。
今度は,辺の比が 1:1 でないときを考えてみましょう。

軌跡が円になるパターン

[問題2] 2 点 A$(-3,2)$,B$(3,-1)$ に対して,AP:BP=1:2 を満たす点 P の軌跡を求めよ。

$\text{AP}:\text{BP}=1:2$ より
$2\text{AP}=\text{BP}$
両辺を 2 乗して
$4\text{AP}^2=\text{BP}^2$

ここ,左辺を $2\text{AP}^2$ ってしがちだから注意して。

$\text{AP}^2=(x+3)^2+(y-2)^2$
$\text{BP}^2=(x-3)^2+(y+1)^2$
よって
$4\{(x+3)^2+(y-2)^2\}=(x-3)^2+(y+1)^2$
$4x^2+24x+36+4y^2-16y+16=x^2-6x+9+y^2+2y+1$
$3x^2+30x+3y^2-18y+42=0$
$x^2+10x+y^2-6y+14=0$
$(x+5)^2-25+(y-4)^2-16+14=0$
$(x+5)^2+(y-4)^2=27$
$(x+5)^2+(y-4)^2=(3\sqrt{3})^2$
したがって
点 $(-5,4)$ を中心とする,半径 $3\sqrt{3}$ の円。(答え)

今度は円になった。

2 つの問題を比べてみると,辺の比が 1:1 のときは $x^2$ と $y^2$ が消えるので,式は直線になります。
一方で,辺の比が 1:1 でないときは $x^2$ と $y^2$ が消去できないので,$x^2$ と $y^2$ の項が含まれる方程式,つまり円になるのです。

直感だと円じゃなくて直線になりそうな気がする。
直感と実際の結論が異なることがあるって,数学で学ぶべき大事なポイントの一つ。科学的思考・論理的思考の大切さってこと。